2012年7月13日金曜日

第三百七十夜/シオヤアブ

 昨夜のアシナガバチは人を刺す事があるが、こちらのシオヤアブ(Promachus yesonicus は 人を刺す事はない。ただし捕った獲物をぶすりと口吻で刺す。毛深いハチに似た体形で、褐色の大きなムシヒキアブの仲間。全身に黄色の毛がはえており、腹部 は、この毛のために黒色と黄褐色のしま模様に見える。脚は黒色だが、すねの部分だけが黄褐色。写真は♂で、尾(腹部)の先端に白い毛が生えているのでよく目立つ。
 草原や林の周辺の、日当たりの良い場所でよく見られる普通種。待ち伏せ型の狩りをする。普段は葉上や枝の先端にとまり体を休めているのだが、近くを甲虫やハエ、アブなど、他の昆虫が飛ぶとすかさず飛び立ち、強靭な足で羽交い締めにして、口吻を突き刺す。大概は 相手の頭部と胸部の急所ポイントを一差しする、必殺仕置人の技みたいだ。獲物は、マメコガネなどの小型の甲虫から大きなトンボも対象とする。第百三十二夜 (2009/08/14)では、シオヤアブ(♂)がシオヤアブ(♂)を捕獲した写真を紹介した。飛ぶ昆虫なら相手を選ばないようだ。親子ともに肉食で、幼虫は土中や朽 ち木の中にいて、他の昆虫などを食べて育つ。写真のシオヤアブは、飛翔するクサギカメムシを捕らえ、食べている(体液を吸う)。 
Photo:2012/07/10  @京都御苑



0 件のコメント: