2012年7月1日日曜日

第三百六十一夜/オオシオカラトンボの顔

 野菜に豊作がある様に昆虫にも豊作らしきものがある。つまり例年よりも発生が多いと言う訳だ。 今年はオオシオカラトンボ(Orthetrum triangulare melaniaが多いようである。昆虫の個体数変化の原因として考えることは、気象によるものと生息場所(繁殖場所)の変化によるものだろう、実際はもう少し複雑だろうが。さて、気象に見ると、例年とさほど変化がない気がする。一方、生息環境的にはどうか・・・このトンボは広範囲に移動する種類ではないのでこのトンボが生息する場所(ここでは池)の変化によるものが大きいだろうと出来る。・・・が実際は今いるトンボ(成虫)の個体数は昨年度の産卵状況に左右されるので、今年の変化を探しても答えは見つからないはず。つまり昨年の産卵期の環境はどうだったかを知る必要がある・・・昨年の記録をたどり、一昨年との変化を探してみよう。
 トンボの顔は面白い。実にクールでポーカーフェースである。大きな眼(複眼=小さな眼がいくつも集まっている)はどこを見ているのかさっぱり判らない。ただ餌となる蝿や蚊等の小さな昆虫が近くを飛ぶとすかさず飛び立ち捕らえる。また近くに別の♂が進入するとこれまたすかさず飛び立ち、追い払いう。形からも想像できるように高性能なレーダーのような全方位的視力を持っているはずである。 しかしこんな高性能なはずの眼だけど、正面からゆっくりと近づくとカメラのレンズの先端が触れるほど接近できる。実際に逃げられ、初めてレンズが相手に触れた事に気付く事もある。トンボを指で捕まえる時に、目の前で指をぐるぐる回すが、やたらに回さずに正面からゆっくりと指を近づける方がゲットの確率は高い。Photo:2012/06/26 @京都市内

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