2012年7月2日月曜日

第三百六十二夜/アリ? それともクモ?

 ハエトリグモの仲間にアリグモと呼ばれる仲間がいる。写真はその仲間の代表格の「アリグモ(Myrmarachne japonica」(写真は♂)。アリグモは、蟻のように全身ほぼ黒(若干の模様が腹部にある場合がある)で、草葉の上や木の幹を歩いている。歩き方は蟻そのもの、第一脚はいつも持ち上げて構え、ぱっと見、蟻の触覚と見間違う。これはアリに擬態しているものと考えられる。擬態の目的として、「アリを捕食するため」の攻撃的擬態という説と「アリに似せることで外敵から身を守るため」という隠蔽的擬態がある。かつては「アリを捕食するため」という説が主流で、まことしやかに「巣穴に入り込んで幼虫や蛹を担ぎ出す」とまで言われたらしい。しかし、その確実な観察記録はないと言う。だから実際は、蟻に似せて外敵を避けるための擬態であるといわれるようになった。蟻はハチの仲間で攻撃的な昆 虫だから、似せる事で他者からの攻撃を避けられることが最大のメリット。アリグモは獲物を捕らえるためのクモの巣は張らず、歩き回り(徘徊型)獲物を捕らえる。Photo:2012/06/26  @京都御苑

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