2010年9月24日金曜日

第二百四十七夜/生きるも死ぬも大切・ヌートリア


 鴨川に架かる橋(丸太町)を渡っていたらかすかに生きものの腐敗臭がした。周りの道路を見るがそんなものはない。ふと橋から下の川を見ると30mほど離れたところに魚のような形をした物体。形からオオサンショウウオの死体と思い、橋を降りて河原に行く。不思議と近くでは腐敗臭は少なく、風向きで30m以上離れた橋上に匂いが流れているようだ。さて、この死体は巨大なヌートリア(巨大なネズミ)だった。全長90cmはあるだろう、頭部が背骨で骨盤・尾骨につながった状態でねじれている、その他は前脚が一本のみ。かろうじて骨が皮でつながった状態で肉部はほとんどない。口部には特徴のあるオレンジ色の湾曲した大きな歯が見える。鴨川では、この近く(二条大橋付近)で一頭だけ生息を確認している(第百八十二夜・2010年1月11日)。今回の死体はこの個体か、それとも別の個体か。先日の豪雨時に上流から流されて来たのかもしれない。水中にある時は魚などの水生生物に、河原にある時はカラスやトビの餌になったに違いない。生きるのも大切だけど、生きている以上は死ぬことも大切なんだなと思う。Photo:2010/09/24 @鴨川、丸太町、京都市

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