2010年9月6日月曜日

第二百四十夜/赤紫色に輝く糞虫

 小学校の森案内で京都北山の花背に行く。子どもたちの到着を待っている間に散歩。早速、現れたのがオオセンチコガネ。この辺りのオオセンチコガネは赤紫色の金属光沢に輝く一般的なタイプ。このオオセンチコガネは日本全土に分布するが、地域によってその色味が金緑色、瑠璃色などの大きく異なるので興味深い(同じ種類なのに別種のように色が違う)。森を歩くと本当にたくさんの個体と出会うことができる。この甲虫は一般的に「糞虫(ふんちゅう、くそむし)」と呼ばれる糞食性のコガネムシ。個体の多さは、食べ物がふんだんにあるからだろうか。森の中、林縁問わず鹿の足跡やイノシシが餌をあさった痕がいたるところに有った。オオセンチコガネは森の中を獣の排泄物(糞)を探して低空飛行して、片付けてくれる大変ありがたいお掃除屋さん。彼らがいないと森の中は糞だらけのはず。もちろん糞を主食とするがキノコなんかも食べる。ピラミッドの再生の象徴の虫やファーブル昆虫記で有名な「スカラベ」は世界的に有名な糞虫、このスカラベは別名=糞転がし。残念ながらオオセンチコガネは糞を転がすことは無い。写真の個体はモデルの役を果たし後、触覚をヒクヒク動かし、行くべき方角を確かめ地面を低く飛び去った。森歩きでは子どもたちが糞虫と聞いて「げっ〜、とかきたな〜」なんて言ってるんだけど、すぐにその輝くひかれて手のひらに乗せしげしげと見てる、でもその手でそのまま飴なんかを口に運んでるから面白い。Photo:2010/09/06 @花背交流の森、おすすめの糞虫の本:ふんコロ昆虫記(塚本珪一・共著、トンボ出版)、フンころがしの生物多様性(塚本珪一・著、青土社)

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