2010年5月22日土曜日

第二百四夜/モリアオガエルの産卵

 京都御苑のトンボ池一般公開が2日間行われた。ラッキーにもモリアオガエルの産卵シーンが見れた、水面から45cm程度のキショウブの葉間に♀1(写真右)、♂3が見える。何時頃から始まったのかは判らないが、約1時間観察することができた。シャンプーの泡のような中にたくさんの卵が入っているはず。泡は膀胱にためた水を後ろ脚で泡立てたもの。Photo:2010/05/21 @京都御苑トンボ池

2010年5月21日金曜日

第二百三夜/ウシガエル

 植物園の池から大きないびきが・・・・振り向くと「私は誰でしょう?」と言わんばかりのかわいい顔が見えた。それにしても睡蓮の葉っぱに似ているな〜。Photo:2010/05/21 @京都府立植物園

2010年5月19日水曜日

第二百二夜/春のナミアゲハ

 キショウブにアゲハチョウ(ナミアゲハ♂)似合わないな〜と思う(蜜を吸っている訳ではない)。自分より一回りも大きな、時折やってくるモンキアゲハをしきりに追いかけている。テリトリーから追い出すというよりも、モンキアゲハの後翅の紋と翅縁の白と黒の模様に異常に反応している感じ。Photo:2010/05/18 @京都御苑、京都市

2010年5月18日火曜日

第二百一夜/モリアオガエルの季節

 今年もやってきたカエルの季節。池ではモリアオガエルの鳴き声でにぎやか。声をたよりに探すとモリアオガエルが首まで水につかっていた。まるで温泉にでもつかっているような幸せな表情。Photo:2010/05/18 @京都市

2010年5月17日月曜日

第二百夜/森を見て生きものを想像する

 今夜は生きもの単体の話ではなく生きものが住まう森の話。GW〜今頃の季節、森を眺めるとそれぞれの木々の新緑がモザイク状になってとても美しい。この頃の森の有り様をちゃんと見ておけば、だいだいそこに住まう生きもの種類や場所が想像できる。もうしばらくすると緑が濃くなりそれぞれの樹木が同化してしまう。昨年はこの森でアオバズクの食べ残したカブトムシの死骸を沢山見つけた。そこはちょうど左中央の竹林、営巣地はその上にあるスダジイ林の辺りかもしれない。Photo:2010/05/16 @図書館駐車場より八幡山を見る、近江八幡市

2010年5月12日水曜日

第百九十九夜/ヒメウラナミジャノメ

 小雨の草地に現れたのはヒメウラナミジャノメだった。なぜか小雨まじりの天気によく似合うチョウだ。蛇の目傘の「◉(じゃのめ)」からの連想なんだろうか? Photo:2010/05/11 @京都御苑、京都市

2010年5月9日日曜日

第百九十八夜/ベニカミキリ

 家の庭のナミアゲハとナガサキアゲハの蛹が先日来の気温の陽気で知らぬ間に羽化して空っぽに、残念! そこに現れたのが写真のベニカミキリ(とまっている葉はアメリカイワナンテン)。幼虫は竹類を食べて成 長する。この個体は触覚が短いから♀。♂の触覚は体長の1.5倍ほどありもっと長い。これからの季節、生き物が一度に目の前に現れると嬉しいことだが撮影に忙しい、またいろいろと考えてしまう。一日に一匹ぐらいが身の程というものだろう。Photo:2010/05/09 @岡崎、京都市

第百九十七夜/ツキノワグマの足跡

 GWは、恒例の「善光寺花回廊」のイベントで長野行き。今回は11日泊の滞在。仕事も一段落、一日だけ里山歩きを楽しんだ。きれいな谷戸があったので散歩。途中、水田にクマの足跡を見つける。よく見ると肉球のへこみと爪がドロをかいた跡からそう時間が経っていないことが判る。ひょっとするとまだ近くでこちらの様子を伺っていたかもしれない。僕は生き物の写真を撮るのでかなり静かに歩く癖がついている。さてばったりと出会ったらどうしようかと思いつつも足跡を探しつつ歩く、でもこんな時は結構、敏感だから安全(だと思っている)。実際に歩いている途中、ときどき獣のにおいをかすかにだが感じた。翌日、山菜採りの人が熊に襲われたニュースがあった。山菜採りの人が襲われるのは、行動が静かな上に足元しか見ていないからだろうか。Photo:2010/05/02 @田沢、長野

2010年4月13日火曜日

第百九十六夜/ツマキチョウ

 すっかり春になりツマキチョウ(シロチョウの仲間)も飛び出した。このチョウは、桜の花の季節に現れ、GW明け頃までに産卵を終える。幼虫は梅雨までには蛹になり、そのまま夏、秋、冬を過ごし、再び春になって羽化する。以前、卵から育てた十数頭の蛹の1つが翌春になっても羽化しなかった。僕はそのまま蛹がついた枝を部屋に放置しておいた、するとこの蛹翌々年の春に羽化した。つまり2年越しで成虫になったという訳だ。これには驚いた・・・しかし自然界ではこんなこと特別なことではないのだろうとも思った。ツマキチョウの幼虫はすこし湿った場所に生えるアブラナ科のタネツケバナやイヌガラシの花実を食べる、まちの中から湿った場所がなくなると共にこれらの食草も激減した、同様にツマキチョウも減った。また本来、個体が多い種類でもない。しかし近年は増えている場所もある、そんな場所には人が観賞用に蒔いたオオアラセイトウ(別名:ムラサキハナダイコン、ムラサキハナナ、ショカツサイ)がある。特に都市公園や墓地では、オオアラセイトウを本来の食草に代わり利用したためである。写真はコナラの枝先で日光浴をする♀の個体。Photo:2010/04/13 @京都御苑、京都市

2010年4月9日金曜日

第百九十五夜/ツグミとシロハラ



 鳥たちにもお気に入りの水浴びスポットがある。人間から見ると条件は対して変わらない、隣で一緒に水浴びすればいいのにと思ってしまうが、どうもそうではないらしい。今日のシーンは、シロハラ(左)とツグミ(右)の水浴び。一羽のシロハラが水浴びをしている、近くでツグミが行儀よく終わるのを待っている(上)。しばらくするがいっこうに終わる気配がない・・・ツグミは少しずつシロハラに近づく。「そろそろ代わってもいいんじゃないか?」とでも言っているようだ(中)。しかしそんなツグミをよそに水浴びはなおも続く。ついにツグミが動いた・・・今度は、ぐぐっと近づき、「いい怪訝にしろよ!」とばかりに胸を張り睨みを利かせた。ここでシロハラ、さすが水浴びをやめてツグミの方を見る。すこし目が合ったところでシロハラが水浴び場を譲り飛び去る。さて今度は自分の番かとツグミは水につかったが・・なにがそうさせたのか水浴びもせずに飛び去ってしまった。Photo:2010/04/07 @京都府立植物園

2010年4月7日水曜日

第百九十四夜/どこで眠るツチガエル?

 ツチガエルはどこで冬眠するのか? そんなことが話題になった。さっそく探してみた。僕が想定していたのは池の水際。護岸に茂るキショウブの根際の枯れ葉を丹念に除き・・・するといとも簡単に姿を現した。全部で4匹見ることができた。さすがに動作は緩慢。本格的に現れるにはもうしばらくかかりそうだ。今日は、キチョウ、ビロウドツリアブ、ナミアゲハに加え、なんとトンボ(種は判らない)までが現れた。Photo:2010/04/06 @京都御苑

2010年3月31日水曜日

第百九十三夜/何かがおかしい? ハナアブ

 アブとか、ハエなんて・・・と言ってさほど気にしていなかった。ところがこの時は違った。このアブ、何かがおかしい? その訳はあとで写真を見て気づいた。虫の体と模様は基本的に左右対称である。ところがこの個体の腹部の模様は・・・真ん中の黄色の左側がない!一本の黄紋が消えてしまっている。多分、正常な個体は三本の黄色の斑紋が左右に対であるはず。もしこのハナアブが♂と♀で斑紋の数が違っているならば、この個体は雌雄同体(半分が♂で、半分が♀)? でもこの個体は斑紋異常と思う。Photo:2010/03/30 @京都御苑、京都市

2010年3月30日火曜日

第百九十二夜/ミヤマホオジロ

 昨日の雪日に変わって、今日は気持ちのいい快晴。桜の花の遠く向こうには薄ら白くなった山々が見える。周りの雑木の新芽はずいぶんと膨らんできた。野鳥の鳴き声も盛んに聞こえる。頭の上の枝先で小鳥がしきりにさえずっている、ミヤマホオジロだった。もうすぐ繁殖のために朝鮮半島からロシアの方に渡っていくはず。Photo:2010/03/30 @京都府立植物園

2010年3月29日月曜日

第百九十一夜/イカルと超接近

 今日は桜に小雪の日だった。バスに乗ろうと停留所で待っていると、天井からなにやら「パチクリパチクリ・・・」聞き慣れた音がする。停留所の屋根を見ようとすると数羽の小鳥がすぐ脇の石垣に飛び去った。やっぱりイカルが木の実をついばむ音だった。お目当ては停留所の屋根に落ちたエノキの実。しばらく見ていると石垣と屋根を行ったり来たり。普段は警戒心が強いが今日はどうしたことだろう。知らぬ振りをして最接近、なんとここまで近づけた。(標準レンズでノートリミング)Photo:2010/03/29 @烏丸丸太町、京都

2010年2月26日金曜日

第百九十夜/動き出した虫たち

 2月だというのに信じられないほどの陽気。さすがの昆虫たちも動き出した。ギシギシの葉には沢山の深い瑠璃色をしたハムシ(コガタルリハムシ)がついている。すでのお腹が卵でぱんぱんにふくらんだ♀の個体もいる。この虫、寒い中でも行動できるのは、体の黒さがより体を暖めることになるのだろうか? 暖かいことはいいことだが、なんだか心配になる。やっぱり冬は冬らしく寒い日々が続く方がいいだろう。Photo:2010/02/23 @京都御苑、京都市

2010年2月13日土曜日

第百八十九夜/雀の顔描けますか?

 鳥の話をする時に「スズメの横顔の模様」描けますかって聞くことがある。身近にいる鳥は意外に見ているようで見ていない。だから本当は人に聞けたことではない、自分だって満足に描けないのである。では正面から見たらどうだ・・・これがなかなか見れないのだ。そこで観察。スズメを正面からみるとこんなお顔だった。茶色の帽子を目の下まで深々とかぶり、両のほほに大きな模様、のどには黒いネクタイ。ほおの黒い模様は何の為にあるんだろう? 正面から見るととても目立つ、スズメ同士だったらこの模様一つで相手がどこの誰それと判るのかもしれない。Photo:2010/02/09 @京都御苑、京都市

2010年2月12日金曜日

第百八十八夜/カワウ

 京都御苑の南西に九条池がある。夏場は鯉と亀で賑やかだが冬場はひっそりとして、マガモが数羽漂っているだけ。そんな池に今日は、鵜(う)が一羽魚を狙ってしきりに潜水を繰り返している。飲み込める大きさの魚がいないのだろうか獲物はさっぱり。餌穫りをあきらめ、水に濡れきった体で重々しく水面を蹴り上げやっとのことで飛び上がる、池を一周しほとりに建っているお茶室の屋根に止まる。ぶるぶると体を振るい水を飛ばすと、羽をひろげ乾かし始めた。こうしないと鵜の仲間は飛ぶことが出来ない。羽に塗るための脂線(尾羽の付け根にある)が未発達で脂を羽に塗れない、泳ぐと羽毛が濡れ飛べなくなるからだ。棟瓦のシャチホコのとなりで翼を乾かしながら時折見せる背中をそらせたポーズが面白かった。さて、鵜と言えば人が鳥を使って魚を捕らえる漁法「鵜飼い」が有名だが、鵜飼いの鵜はこのカワウではなく、ウミウを使う(ただし一部の地域と中華人民共和国ではカワウ)。カワウは人になれにくいのが理由と言う。このカワウは体全体が茶色がかっていて、なんとなくしまりがなく顔もどこか幼い、これは若鳥。Photo:2010/02/09 @九条池、京都御苑、京都市

2010年2月9日火曜日

第百八十七夜/冬眠からさめたイシガメ

 今日は暖かな一日だった、なかには半袖のTシャツ姿も見られた。本来なら2月はまだ厳冬期のはず。数日前が雪日だったなんて想像もできない。僕たち人間は今日の暖かさを特別な一日に感じるのだが、生きものは数日の前の雪日と今日の春日を連続したものとして感じているのかもしれない。つまり数日毎の寒暖の変化に関わらず気温は確実に、しかも異常に上がりつつあるということを。京都御苑の九条池では、冬眠からさめた亀が数匹泳いでいた。いずれもイシガメ。夏場にはイシガメを見つけるのが難しいほどアカミミガメばかりなのに。在来種のイシガメのほうが気温に敏感なのだろうか、それとも低温でも活動できるのか。Photo:2010/02/09 @九条池、京都御苑、京都市

2010年2月6日土曜日

第百八十六夜/アオサギ

 小さな池のほとりにいたら、遠くからアオサギが舞い降りて来て旋回を始めた。池に降りると思っていたら、僕たち人間の存在に気づいて近くの木の梢に止まり、首をかしげ上からこちらを伺っていた。双眼鏡で様子を伺っていると、やはり水辺に降りたそうだ。しかし降りてこない、知らぬそぶりをしながら待つ。残念、結局あきらめたのか梢を飛び立ち、再び旋回をしてやって来た方角に飛び去った。このアオサギ、けっこう警戒心が強い。Photo:2010/02/02 @京都御苑、京都市

2010年1月19日火曜日

第百八十五夜/モズ(百舌)

 町中ではなじみが薄いが、田舎や里山では代表格の野鳥.スズメを一回り大きくしたサイズで、体はがっちり、頭は少々大きめ、タカの様にするどく曲がったくちばしが特徴.憎たらしい顔つきながらもなかなかかわいい.じっとしている時も尾羽はリズミカルに上下左右に動いている.低い枝で周りを見渡しては、時折地面に降りてもとの枝に止まる.顔つきからもかいま見ることができるが、なかなか気が強く、昆虫、トカゲ、小さな蛇、小魚(どうやって穫るのか判らないが)、大物では小さな小鳥まで襲ってしまう.小鳥を襲う時は、相手の鳴きまねをして近くに止まり、相手が油断しているスキを狙って体全体で押さえ込んでしまう.鳴きまねが上手なことから漢字では、「百舌」と書いてモズと読む.体つきとこの性格から昔はタカの仲間にされていたと言う.Photo:モズ♀ 2010/01/19 @京都御苑、京都市

2010年1月16日土曜日

第百八十四夜/マミチャジナイ

 マミチャジナイ・・・おまじないみたいな名前の野鳥。「マミ」=眉、「チャ」=茶、「シナイ」=ツグミの古称。つまり「眉茶鶫」=「眉のある、茶色い、鶫(つぐみ)」ということになる。これだとなんとなく判る。この鳥は、シベリアから越冬のためにアジア地域に渡る途中で日本に立ち寄る「旅鳥」。西日本では少数が越冬するという。地面におりて昆虫類やミミズなどを捕食している。同じ仲間にシロハラ、アカハラ、ツグミ、マミジロ・・・なんてのがいるが知らなければこれらもおおよそ鳥の名前と思わない。Photo:2010/01/05 @京都御苑、京都市

2010年1月12日火曜日

第百八十三夜/ウラギンシジミの越冬


 昆虫は冬の間、いろいろな状態で越冬する。卵であったり、幼虫であったり、蛹(さなぎ)であったり、その種によって違う。成虫で越冬する昆虫もいる。成虫だからといって見つけやすいかというと、これが見つからない。むしろ、卵や幼虫や蛹の方が見つけやすい。食べている木や草の辺りを探せばいいから。写真のウラギンシジミというチョウは成虫で越冬する。今までその越冬成虫には出会ったことがなかった。二日前だった、これが思いも寄らない場所で見つけた・・・日当たり悪く(一日中日陰)、風も防げないようなシダの葉にぶら下がっている。飛んでいるうちに寒くなったのでそのまま越冬してしまった・・・という感じである。僕たち人間にとって冬越しというと暖かな南面を選びたくなるが、昆虫の世界ではそうでもないらしい。彼らにとって南側だと暖かいが、気温の変化が激しく(暖かくなると動いてしまう)、乾燥が避けられない。それよりも気温の変化が少なく、すこし湿った場所がいい。彼らにとって気温よりも湿度が大切なようである。Photo:ウラギンシジミ♂、2010/01/10 @吉田山、京都市

2010年1月11日月曜日

第百八十二夜/鴨川に現れたヌートリア


 昨年6月、鴨川で巨大ネズミ・ヌートリア(*1)を見かけた。その時は橋の上からで泳ぎ去る姿でおわった。今日は、まじかに見ることができた(胴長45cm、尾長30cmぐらい)。川の中洲の巣穴(3箇所ぐらい確認)から出てきたばかりのようで、軽く泳いだ後しきりに毛づくろをしている(写真上)。毛づくろいが終わるとお尻をたかだかと上げて・・・なんとおしっこだった(写真下)。写真を撮っていると後ろで、巨大ネズミに気づいた人がネコだ!、ビーバー?、カピパラがいる!・・・さまざまな声が聞こえていた。さすがに犬とはいわない、でも大きさは犬ほどもある。さてこのヌートリア、琵琶湖から宇治川・桂川経由でやって来たのか。淀川をさかのぼって来たのか。はたして一頭なのか。興味は尽きないのだ。
*1:原産地:南アメリカの中・南部(チリ、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビア、ブラジル南部)。日本には1907年に上野動物園に初めて輸入された。その後、1939年(昭和14年)に軍用の毛皮獣として150頭が輸入された。第二次世界大戦中は、防寒用の毛皮を採り、肉は食用とするために多数飼育されたが、第二次世界大戦が終わると需要がなくなり、放逐されたり屠殺されたりした。生き残ったものが野生化し、各地で帰化した。毛皮はカワウソのように上質で、カワウソの毛皮と称して売買されたため、カワウソのスペイン語<ヌートリア>がまちがってこの動物の呼び名になったという。Photo:2010/01/11 @鴨川、二条大橋、京都市

2010年1月7日木曜日

第百八十一夜/ドングリを食べる鳩・アオバト

 今の季節、鳥達にとって餌を採るのにきびしい季節となる。あるものは木々の枝に残る実を食べ、またあるものは木々の間に隠れる昆虫を、落ち葉の下の土中にミミズを探す。そのような中でアラカシは毎年たくさんのどんぐりを実らせる。アラカシの木下に行けばいくらでもドングリが食べられる。しかし、なにぶん堅いので食べにくい、しかも渋味が強いので味も良くないと思う。そんなドングリを好んで食べる鳥がいる。ドバトのように明るい場所には姿を現さない森に住むアオバトである。写真のアオバトはドングリをそのまま呑み込んでいた。時々、ついばむが呑み込まずに捨てる・・・いまのドングリはゾウムシの仲間の幼虫が抜け出た孔があいているものが多い、そんな不良の実は食べないのかもしれない。たくさん落ちているものから選んで2個3個・・・5個見る見る間に胸の辺りがどんどんふくらむのが判る。ドングリを割らずにそのまま呑み込む、あの堅い実を消化できるなんてすごいなと思う。写真の個体は♀、♂は肩から背にかけて赤褐色の羽色となる。Photo:2010/01/06 @京都御苑、京都市

2010年1月6日水曜日

第百八十夜/冬のツバメ

 毎週火曜日に行っている生きものの定点調査の帰り道、前方に大型のツバメを発見。寒風がふく川の上を飛び交い空中の昆虫を食べているようだった。たえず3羽で川の上流から下流へ、低所から高所まで高速で飛び交っている。アマツバメの仲間であることは判るが、それにしてもこの時期に現れる種を知らない。Photo:2010/01/05 @鴨川・丸太町通り、京都市

2009年12月27日日曜日

第百七十九夜/セグロセキレイ

 胸を張って、尾っぽを上下に振りながら歩こう・・・八幡堀(近江八幡市)の川べりでそんなことをいいながら歩いていた鳥。セグロセキレイは日本固有種。似た仲間でハクセキレイという種がいるが名前に反して背中は黒い。2種の区別は、ほっぺたが白いのがハクセキレイ、ほっぺたが黒いのがセグロセキレイ。Photo:2009/12/27 @八幡堀、近江八幡市、滋賀県

2009年12月24日木曜日

第百七十八夜/イカル

今の季節、エノキやムクノキ林のなかからぱちぱちと音がすればきっとこの鳥が地面に落ちた実を食べている音。そんな時は梢から「キーコーキー・・・・」と面白いさえずりも聞こえているに違いない。スズメを一回り大きくしたサイズの鳥で、どこか文鳥に似ている。太いくちばしで堅い樹の実を割って食べる。Photo:2009/12/22 @京都御苑、京都市

2009年12月23日水曜日

第百七十七夜/ハヤブサ

林を歩くとぱちぱちとはっきりとした音が地面からする、イカルが地面に落ちた樹木の実をくちばしで割って食べる音だ。近づくと30羽ぐらいの群れがいっせいに飛び立ち近くの梢に移動する。梢をみるとシジュウカラやメジロが枝先にとまり昆虫を探す様子も見れた。しばらくすると梢の向こうに一羽のタカが滑空していた。とっさながらも写真を数枚撮ることができた。オオタカだろうと気にしなかった・・・しかしやはり気になる。オオタカと思いながらもやはりどこか違った。夜、写真を拡大して見るとそこに写っていたのはまぎれもないハヤブサだった。しまった、もう少しじっくり見ればよかった。Photo:2009/12/22 @京都御苑、京都市

2009年12月19日土曜日

第百七十六夜/風変わりなハチ

ハスの葉もすっかりしおれてしまって、枯れた茎にいくつもの茶色く変色した葉が垂れ下がる。この枯葉を眺めているうちに何かいそうだと直感した。早速、いくつもの葉の内側を見るとクモやクサカゲロウが見つかった。なかでも写真のヒメバチは大物だった。ヒメバチの仲間のコンボウアメバチ(コンボウアメバチ亜科
Gravenhorstini 族のなかの1種、詳しい種名は判らない)、体の形と色が面白い。詳しく同定するとなるとこの個体を専門家に見てもらう必要があるが、今回はアメバチがいることが判っただけで十分だ.虫を見つけるコツは、直感を大切に、そして先入観を捨てること。Photo:2009/12/16 @京都御苑、京都市

2009年12月3日木曜日

第百七十五夜/ゴマダラチョウの越冬

 昨日までの陽気が一変して冷たい雨の一日となった。モミジ、イチョウ、桜の色づいた葉がつぎつぎと落ちる。地面に黄色や紅の円形模様が現れる。エノキの葉もずいぶんと落ちている。そろそろ見れるだろうとエノキの根本の落葉をめくるとすぐに見つけることが出来た。頭に2本の角、背中には3対のトゲ状の突起物、これがゴマダラチョウの越冬幼虫。同じ場所に先週はまだ見つけることが出来なかった。Photo:2009/12/03 @京都御苑、京都市