2016年3月27日日曜日

第八百二十八夜/キツネの死

 西の湖のヨシ焼きが最盛期となった。ヨシ焼きが終わるとヨシの芽吹きが急速に始まるのでヨシ原の風景が一年で一番変化する時期なので見逃せない。黒化したヨシ原を歩くとその地熱の熱さに驚く、昨日火入れがされたにも関わらずである。遠赤外線なのだろうか体がぽかぽかしてきて歩きながら眠気が襲ってくる。そんなヨシ原の一本道の窪地に1匹のキツネ(Vulpes vulpes japonicaが横たわっていた。最初、寝ているのかと思ったが、残念ながら死んだ♀だった。毛はとても美しくフワフワで、若い個体のようである。毛の表面にはヨシ焼きの灰がほんの少しついていた。外傷無し、ふっくらとした体なので餓死でもない。弱って倒れたようでも無い。車との接触で運転手が窪地においたのかもしれない。またこのキツネにカラスやトビ、タヌキにかじられた後もまったくないので、まだ死後数時間しか経っていないと思った。冬を無事越し、いよいよ春という日を向かえたのに残念だったろう、ただ顔を見ると穏やかな表情が本当に眠っているようだったことに少しほっとした。キツネは美しい動物だと思う。
Photo:2016/03/27 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

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