2013年7月1日月曜日

第四百九十一夜/土食って虫食って口渋〜い

 畑横の農作業道に出来たわずかな水溜まりに沢山の小さな足跡が残っていた。しばらくするとツバメHirundo rusticaが長さ3〜5cm程の枯れ草をくわえやって来た。見ていると枯れ草をくわえたまま、クチバシの上面で泥をすくい上げる様に集め、すぐに飛び立ち、しばらくするとまたやって来て同じことをしている。見ているとほとんど1分以内に舞い戻って来た。巣作りの真っ最中、巣の場所は水たまりから15mほど離れた建物の軒下である。ツバメは、巣の場所から先ず近くの畑に降り、枯れ草をくわえる、そしてこの水溜まりにやって来る。午前中に比べ水たまりは午後には半分程度まで小さくなっていた。巣作りの泥も早くしないと乾燥してつかなくなる。だからツバメのペアは大変に忙しい。巣作りの場所、枯れ草、泥(水溜まり)の3条件がぴったり揃う場所は、多くはなさそうである。ツバメの巣は、日本の家屋や土蔵と同じ「土壁」である・・・というよりも、日本の家屋がツバメの巣をきっと真似たのだと考えても違和感はない。実に日本の農村環境に似合う鳥である。
ツバメのさえずりは、『チュビチュビチュビチュルルルル』と比較的大きな声で鳴く。その声は、 『土食って虫食って口渋〜い』等と聞きなしされる。昔の人はよくツバメの生態を観察したものだ。Photo:2013/06/30 @八瀬大原、京都市

0 件のコメント: