2009年2月10日火曜日

第六十四夜/ウラナミジャノメの仲間

 森のテントの周りをしきりに飛び回っているウラナミジャノメ(ジャノメチョウの仲間)が一頭。写真を撮ろうと近づくと逃げられてしまう。そこでいつもの様に観察してみるとある一定の場所を回っている事が判った。お目当ては,葉っぱの上の水滴らしい。この手の仲間は,花になんか来ない。腐った果実なんかが大好物。このチョウを引きつけている葉っぱの水滴は何だろうか,葉っぱに止まりしきりに吸っていた。さて,このチョウの名前をガイドに聞いてみた。答えは「クプクプ」(マレー語で蝶の意味)。違うチョウの名前を聞いてみた。こちらも「クプクプ」。どのチョウもみんな「クプクプ」なのだ。つまり生活にあまり役に立たないものに関しては固有の名前はつかない。せいぜいついて「クプクプ・メラ」程度である。これは「赤いチョウ」の意味。翅が赤ければみんな「クプクプ・メラ」になってしまう。白い蝶の場合は「クプクプ・プティ」。そうだ唯一,彼らが知っている蝶の名前があった。現地で「Rajah Brooke's 」ラジャ・ブルックスと呼ばれる大型のアゲハチョウである。(学名:Trogonoptera brookiana 和名:アカエリトリバネアゲハ)名前は19世紀のマレイシア・サラワク王国初代白人藩王(ラージャ)だったジェームズ・ブルック卿に献名された学名より。ガイド達がこのアゲハチョウの名を知っているのは土産物売り場で展翅されたものが売っているからである。今回は3度,遠くを飛び去る姿を見た。【2009/02/09】

Photo:葉上の水滴を吸うウラナミジャノメの一種 @Batang Duri. Brunei 2009/01/17

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