2009年2月6日金曜日

第六十一夜/食べて理解・熱帯魚のフライ

 森歩きのガイドが夕食を獲りに行こうと言う・・・といっても場所はテントのそばを流れる川である。道具は,釣針,オモリ,テグスである。餌はその辺りの地面を掘ればいくらでもいるミミズ。川岸から餌をつけた仕掛けを川に適当に投げ入れ,当りを待つ。今日は釣果が良くないらしい。連日の雨で川が濁り,水温も下がっているのが原因か。さすがのガイドの仕掛けにもなかなか当りがこない。粘りに粘り小一時間かかってなんとか自分の食いぶち分の魚をそれぞれ上げた,といってもみんな小物ばかり。釣果はオイカワのような銀色のきれいな魚1匹(20cmぐらい),小さなナマズ1匹,スパイニール(ウナギを平たくした様な魚=熱帯魚店で見た記憶がある)が数匹。僕は小ナマズと小スパイニール。そして最後に尺物スパイニールを落としてしまった。逃げたサカナは大きい。あげくのはて,大切な針を川底に引っ掻け,糸を切ってしまった。結局,時間も道具も失ってしまった。魚の写真を撮ろうと思い,小屋に戻ると既に時遅し,フライなって皿に盛られていた。熱帯魚店で人気のスパイニールは小骨が多く,しかもむちゃくちゃ硬く味なんてもんじゃなかった。釣れない,食えない,撮れないの三重苦だった。但しこの日の夕食は,シダ類の新芽(現地名:キパス,近くの草むらでいくらでも採れた)の炒め物に魚のフライ,そしてチキンカレーとご飯,けっこう多彩なメニュー。全て現地調達の食材だった。そんな訳で今夜は生きものならぬ「あげ物」の話しとなってしまった。生きものを知るためには食べてみる事も大切だ。【2009/02/05】
Photo:中央で姿をとどめているのがオイカワ形のサカナ,周りでバラバラになっているのがスパイニール。@Batang Duri. Brunei 2009/01/17

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