2009年2月7日土曜日

第六十二夜/極細の脚のカワトンボ

 森の細流を歩くと川面にぴかりぴかりと金属的な緑色の昆虫が飛び逃げる。小さなカワトンボの仲間だが,どうしても写真に撮れない。そんな中やっと撮れたカワトンボの一枚。残念ながら先の金属色に輝くカワトンボではない,しかしなかなかきれいな姿をしている。熱帯の森の林縁は,太陽光の当たる場所と日陰との陰影のコントラストが強く,そんな環境の中を飛ばれると,本当に居場所が判らなくなる。マレイシアには,マレーバクと言うパンダ柄(白黒)のユニークなほ乳類がいる。動物園で見るとその体色で居場所がすぐに判ってしまうが,そのはっきりと分かれた白黒の体色も陰影の強い川岸の風景にまぎれると言う。だから白黒もりっぱな保護色なのだ。金属色の羽色を持つトンボも同じ。きらびやかな翅も止まっている時は黒く見え,飛び始めると川面には反射する陽光や水の流れにまぎれてしまう。【2009/02/07】
Photo:川岸に休むカワトンボの一種,緑色の体色に極細の脚がとても美しい @Batang Duri. Brunei 2009/01/17

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