


カニは砂の中の有機物やプランクトンを鋏脚でつまんで口に入れ、食物を濾した残りの砂は口の上部に丸く固め、鋏脚で切り取って足元に捨てる。食べかすも砂団子になる。
体表の模様は砂浜に紛れる保護色となり、遠目には砂の塊が動いているようにも見える。砂面に目が慣れて来ると巣穴に逃げ込むカニが判る。中には他の個体の巣穴に逃げ込んで巣穴の主に追い出され、逃げまどうものもいる。歩くと地面に伝わる振動でカニが隠れなかなか見れないが,巣穴の横で動かずに待っていると数分で姿を現した。
砂団子をいくつかの巣穴に転がすと,それぞれいくつもいくつも転がり落ちていった。ただし,どの巣穴もいくつか入れたところでそれ以上は落ちなくなる。2つのシーンが想像できた。一つ目はまっすぐに掘られた穴も途中で横に曲がっている。二つ目は穴の途中にいるカニに砂団子が引っかかってしまった。どちらもカニにとっては迷惑な話しだ。
砂浜に広がる砂団子を見ていると,飛行機から見た時の住宅地や街のようでも,里山と谷戸地形のようでもあった。これがカニ達とっての街そのものなんだろうなと思った。ちなみにこの砂玉のまちは,満ち潮が来ると全てなくなり,引き潮になるとカニ達が再び同じ作業を繰り返す。【2009/02/13】
Photo(上):砂浜に広がる砂団子,飛行機から見る里山の地形に似ている。Photo(中):巣穴から放射状に広がる砂団子。Photo(下):静かに待っているとカニが姿を現した(コメツキガニの仲間と思う)。@Tanjung Aru, Kota Kinabalu, Malaysia. 2009/01/21
0 件のコメント:
コメントを投稿