2009年8月24日月曜日

第百三十四夜/葉付きドングリ落下の仕業は?


 今の季節、雑木林に行くと地面にたくさんの葉っぱの付いたドングリが落ちている。どれも全て葉付きで枝の切り口は、折ってなくて、ナイフか何かで切り落としたようになっている。ドングリを鳥達が食べた後にしては実がまだ残っている。ドングリの表面をみても傷もついていない。実はこの正体、ハイイロチョキリというチョッキリゾウムシの仲間の仕業(注:写真コナラシギゾウムシです)。このゾウムシ、長い口でドングリのキャップ(ヘタの部分=殻斗=かくと)の側から穴を開けて、そこから卵を産みつける。そこで産卵の仕事は終わるのだが、このまま木に付けておくと、他のゾウムシが卵を産むかもしれない。自分も間違って産んでしまうかもしれない。一つの実にいくつも卵を産まれると我子の食いぶちが無くなる、兄弟喧嘩もおこってしまう・・・そこで考えた「産卵の終わった実は葉っぱ付き枝毎切り落としてしまおう」。分厚いキャップ側から産卵用の穴をあけるのは、いくつか理由があるらしい。外側の光に当たっている実の皮は大変に硬い。実際にキャップをはずすとキャップに包まれていた実の皮は白く柔らかい。産卵の為の穴からの乾燥を防ぐ。そしてわざわざ苦労して葉付き落とすのも実の乾燥を防ぐ意味があると思う。秋になるとクリの季節、茹でたクリの実を割った時に出て来るのが写真のコナラシギゾウムシに似ている「クリシギゾウムシ」、「シギゾウムシ」とは、「シギ=鳥の仲間」が持っている長いクチバシに似ている口を持った「ゾウムシ」の意味。「ゾウムシ」とはゾウの鼻の様な長い口をもったムシの意味。だから二つの動物の名前が並んでしまったと言う訳。Photo:2009/08/09 @京都御苑、京都市

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