2014年4月24日木曜日

第六百一夜/冬から春へ・ツグミ

 湖畔の柳の茂みに休む一羽のツグミ(Turdus naumanni 、この茂みにいさえすれば猛禽類から狙われることも少ないだろう。近くには何羽もの仲間がいる、これは日本で冬越ししたツグミが生まれ故郷・シベリア地域への渡りも近くなって来たことを物語る。日本に渡って来た頃(秋)、群れていたものが冬を向かえると単独行動になり、今は再び渡りのための群れをつくり出した。単独での渡りは、とてもリスクがあると言うことと、向こうですぐに繁殖するために渡りの途中でパートナーを見つけるためだろう。この時期、近くの畑や水田では農家の仕事が盛んだ、農地を耕転すると土中から多くの小動物が出て来る。これは渡りのために十分な体力をつけるためにはまたとない機会である。彼らの渡りと農業の関係が結びついていることが判る。 
 かつて日本では、多い年で400万羽以上が霞網猟(1947年に禁止)で食料のために捕獲された。今では霞網猟の危険は減じたが、渡りの大変さは変わらない。十分な体力をつけ、子育てをしたのち、またここに帰って来てくれることを願う。Photo:2014/04/24 @西の湖、近江八幡市、滋賀県

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