2014年4月22日火曜日

第五百九十九夜/木に登りはじめたゴマダラチョウの幼虫

 ようやくエノキの梢に新葉が芽吹き出した。木の根元の枯葉で冬越しをしていたゴマダラチョウ(Hestina japonicaの幼虫もようやく木の登りはじめた。エノキの枝につかまり休む幼虫(腹足で枝をつかみ、上半身を起こしている)を観ていると彼らの頭に生えている角の役割が判ってくる。今の体色は薄茶色でまるで木の枝のようだが、これから若葉が大きくなるにつれ、体色も緑色に変化し、休む場所も枝から葉上に移る。体色が緑色になってもこの頭の角はあるが、この角の役目は体色が茶色の時にあるようだ。つまり春先は葉が大きくないので枝上にいることが多い。この時に自分の体を枝から分岐する小枝に見せ、角もまた自らの体と言う小枝から枝の突起物の様にみせているのだ。冬場、樹々の根元で冬が越しをする時は、落ちた枯れ枝に扮し、春には枝の一部に見せかける。環境的な条件が悪い時ほど、この手の体色や体形が外敵から身を守るために活きてくる。夏場に葉上に休む幼虫の角を見てもユニークな特徴としか見えず、この役割はなかなか判らない。Photo:2014/04/22 @黒谷、京都市

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