2010年10月4日月曜日

第二百五十夜/今や普通種のムラサキシジミ

 生きものの話を書いて今夜で二百五十話になった、日本にいるチョウ類が約240種類だからやっとそれに達したわけだ。さてこのチョウ類だが小学生の頃、昆虫採集にどっぷりのめり込んでいた頃は、テングチョウ、マダラチョウ、ジャノメチョウの仲間はちゃんと「科」として分類されていたが近年はその科が廃止され「タテハチョウ科の亜科」として扱うことが多くなった。和名まで変わった種さえある。その種名、科名の変化もあるのだが昔は珍しかった種が今は極めて普通種となったものも多い。写真のムラサキシジミもその一つ。子どもの頃、是非に採集したいといろいろな本や、学校の理科室にあった標本の採集地を参考に探したが結局見つけることは出来なかった。ところがどうだ、今ではごく普通種となってしまった。ムラサキツバメ(これも以前は珍しかった)を探そうとしていると、このムラサキシジミが両手の指をもっても数えきれないほど現れた。いっぱいいるのだから放っておけばいいのに目の前に現れるとつい目で追って、写真に収めてしまう。特に京都御苑では低い生垣にアラカシが使われているので手元の高さで観察できる。さて、かつて珍しかった種を見ることが出来るようになったっと言っても、全体の約1/4種のチョウたちが絶滅の道を歩んでいる現実がある。今、多く見られるからといって将来の保証はどこにも無い。写真に個体は♀。Photo:2010/10/04 @京都御苑、京都市

0 件のコメント: