2014年9月2日火曜日

第六百五十五夜/ムラサキツバメとアリの蜜月な日々

 ムラサキツバメ(Narathura bazalusという鳥の様な名前のシジミチョウがいる。翅の表は深い紫色に輝き、裏は枯葉や樹皮のようなモザイク状の茶色、そして後翅の一部に尾状突起がある。この尾状突起が「ツバメの燕尾」みたいだから「ツバメ」と名につく。このシジミチョウの幼虫がシリブカガシのひこ生えにいた。幼虫が小さな時は、葉を丸め巣を造るので見つけるのは容易く、幼虫が終齢になると今度は巣から出て、そこにはアリがまとわりついているのでこれまた見つけるのは容易い。幼虫が葉を食べている間、小さなアリ達は幼虫にまとわりついている。幼虫が体から出す分泌液がアリ達にとって甘味となりたまらない。分泌液を吸い集め、巣にもって帰ると言うことではないようだ。なぜならば巣への列が無いからである。まるで酒宴のようだ。ムラサキツバメの幼虫は、アリに分泌液を与えることにより、アリに守られる状態となり他の昆虫から狙われることはない。この関係は蛹になる直前まで続く。以前のアリは、キイロシリアゲアリ(フタフシアリ亜科)だったが、今回はすこし違うようだ。顕微鏡で見て調べたい。さてこの蝶の幼虫は、見つけ易いのだが、蛹となると非常に困難、野外では不可能に近い。そこで実際に幼虫を飼育すると、終齢幼虫は地面上に降り落ち葉を幼虫期の巣のように縫い合わせ、その中で蛹になることが判る。Photo:2014/09/02 @京都御苑、京都市

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