2014年9月3日水曜日

第六百五十六夜/ジャコウアゲハ

 ジャコウアゲハ(Byasa alcinous 英:Chinese windmill)の幼虫がたくさんいると知人から教えてもらった。知らされた場所を探していると鳥の写真愛好家のおじさんがもっといるところを教えてくれた。彼らにとって昆虫はいわばサイドメニューだから、他者に教えることは頓着しない。教えてもらったところは花壇の一部に生えているウマノスズクサ、たしかに個体数が多く、しかも卵から1齢幼虫、そして終齢幼虫、蛹、成虫までの全ステージを見ることが出来た。ジャコウアゲハの幼虫が食べるウマノスズクサは、その葉に含まれる毒性分(アリストロキア酸)を含み、幼虫はこの毒性分を体に貯めるので鳥等は幼虫も成虫も食べない(食べることができない)。そのために幼虫はあらゆる目立つ場所に止まっているし、蛹も同じである。成虫にいたっては弱々しく飛ぶことで十分である。食べるならどうぞと言わんばかりである。昨年まではこの場所にウマノスズクサなんて無かったように記憶している。土かなにかに混ざっていた種子が発芽して、それを母蝶が見つけたと言うことだろう。だから来年も同様に見ることが出来るとは限らない。出来るならこのままこの野草を残して欲しいと願う。写真の左の黄色いのが蛹、葉上の黒いイモムシが幼虫。Photo:2014/09/03 @京都府立植物園、京都市

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