2009年11月23日月曜日

第百七十二夜/迷い鳩


 私用で三重県多度町に行く。ここは僕が小学校に入るまで育った場所、家の向うには木曽三川の揖斐川が流れる。昔、魚釣りをした小川を訪れるもすっかりその面影は無く、コンクリート3面張りの溝になっていた。そんな田んぼ道を歩いていると刈り取りの終わった稲の中で一羽のカモメ・・・カモメにしてはおかしな場所にいるもんだと思い眺めていると草むらから出て来てこれがハトだと初めて判った。そのぐらい体つきが大きく、しっかりしていた。双眼鏡で見ると脚環が見えた、青い環には細かな字が書かれている。明らかに伝書鳩(レース鳩)。通常ハトは群れで行動する、そのハトが単独で落ち穂をしきりに食べている・・・これはレースから脱落した個体か、迷子の個体に違いない。幸いにもケガや衰弱した様子は無く、元気に落ち穂を食べている。胸が落ち穂で膨らむのがレンズ越しに判る。よほどお腹がすいているだろう、レース鳩としてはちょっと情けない状況だが、さすがにその体つきはたくましい。家に戻って伝書鳩の情報を調べると数日前に岐阜から練習放鳥が行なわれた様だ。この場所だと岐阜にもとても近い、この練習放鳥の一羽かもしれない。お腹いっぱいになったら元気に自宅に向うことを願う・・・といってもこの辺りハヤブサの仲間がいたりしてけっこう危険だろうな。Photo:2009/11/23 @南之郷、多度町、三重県

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