2011年9月8日木曜日

第三百七夜/蛾の身になにが起こったか?



 知人より蛾の写真が送られてきた(写真上)。翅の紋様からするとオスグロトモエ(♀)だと思う。「思う」と言うのは、近似種のハグルマトモエに非常に似ているからなのだ。この写真を見て「おおっ!」と興味を持った。その興味は蛾の種類ではなく。この蛾の左下翅にざっくりとするどく、あたかも爪で(しかも5本指?)はぎ取ったかのような欠損にである。その部分を拡大すると写真下のように「スパッ」となにかで切り落とした様になくなっていることが判る。こんな傷がただ飛んでいる時に付くとは思えない、翅の状態から羽化してさほどの日も過ぎていない、しかも片側だけだ。はたしてなにがこの蛾の身に起きたのか? 実はこの蛾の翅は、アオバズクというフクロウの仲間の食事痕によく現れる。この翅の傷もアオバズクから逃れた時に出来たものか? それとも街灯に引き寄せられ壁に止まっていた時にネコに手を出されたか・・・そんなことを想像すると一枚の写真からでも自然の中で起こる様々なことに思いが向かうのだった。原則として自分が撮った写真を使っていますが、今回は友情出演です。Photo:2011/09/07 @京都御苑。京都市

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