2011年9月7日水曜日

第三百六夜/木陰で休息するカラスアゲハ

 木陰で休息するカラスアゲハ(夏型♂)を見つける。翅はまっさら、鱗粉も尾状突起も完璧、羽化してまもない個体と思う。普通は春と夏の年2回の発生、夏の個体は7〜8月に羽化するのでこの個体は少し時期遅れの登場とも言える。でも自然界では発生の時期が微妙にずれる個体がいることで健全なのだ。種のほとんどが同じ時期に発生してしまうと気象などの自然環境に大きな変化が出た時に、一番大切な繁殖に支障が出てしまう。登場する時期がばらばらとある一定の約束の上(大まかな季節)でずれることで、自然環境の変化に対応できるので健全なのだが、かといって変な時期に一匹だけ登場してもこれまた繁殖が出来ない。虫の世界はなかなか複雑に、かつ上手く出来ている。このカラスアゲハの場合は、登場するある一定の約束とは、春型5月頃(前年秋に蛹になって越冬した個体が羽化=春型)、夏型7〜8月頃に羽化(春の個体が産んだ卵から発生したもの=夏型)する時期である。これを年2回発生という。Photo:2011/09/06 @京都御苑、京都市

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