2010年8月29日日曜日

第二百三十五夜/ゴキブリ

 僕がおつきあいしている小学校はなぜかゴキブリが多いという。さて今年は夏休みにこれを退治しようと職員室や共有ホールを閉め切って薬剤散布したと聞く。効果てきめんでフロアーにはゴキブリの死骸が転がっていた。それをある先生が拾い集めて作った標本が写真の物だった。どこにでもいる嫌われ者のゴキブリもよく見ると不思議な昆虫だ、なぜか?顔や目は前を向かず下を向いている(頭部は胸部の下に隠れている)。あれほど敏感なのにいつも下しか見ていないのである。しかし床に転がって死んでいる時は必ずと言っていいほどお腹を上に、つまり顔と目を上に向けて死んでいる。この姿は真に「昇天」って感じである。先の標本は、この転がっている姿のままを拾い集め、接着剤で背中を貼ったものだからすべて裏面(腹部)を見せる標本になってしまった。これは偶然にもゴキブリという昆虫のもつ特異な面を見事に表すという結果になった。しかし注目点は他にもある、よく見るとほとんど成虫ばかりである。もっと小さな幼虫は拾われなかったのか、時期的に幼虫が少なかったのか・・・なかなか興味深い。もしちょうど卵のステージであればこれから幼虫が孵化し、しばらくしてからやっぱりゴキブリは現れるんだろうなと思った。Photo:2010/08/28 @近江八幡市、滋賀県

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