2009年4月13日月曜日

第七十二夜/ヒゲナガカワトビケラ


 夜、鴨川の端にある地下鉄の出入口のライトにたくさんの虫が集っていた。これは子どもの頃、鴨川や疎水に魚釣りで昼夜を問わずいつも現地調達できた生き餌だった。当時、現地で魚釣りをしていたおじさん達はこれを「チョウ」と呼ぶと教えたくれた、しかしチョウと言うよりも一見蛾のようである。この昆虫、蝶でも蛾でもない。本名を「ヒゲナガカワトビケラ」と言う。確かに名前の通りヒゲ(触角)が長く、体長以上の長さを持っている。この虫の幼虫は、川底の小石の間に糸で網(巣)を張りそこにかかる落ち葉や藻、昆虫を食べていると言う。この幼虫も成虫同様、いい釣り餌に使える。さらにこの仲間の幼虫は人間も食べ(つまり食用)、長野県伊那谷では「ざざむし」と呼ばれ主に佃煮や揚げ物などにして珍味として売っている。佃煮加工後は見た目ゼンマイかワラビの様ではあるが、生きている状態を知ってる僕は食べる気にはなれない(というのが正直なところ)。
【2009/04/12】Photo:@川端丸太町地下鉄出入口、京都

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