2015年5月20日水曜日

第七百二十夜/孤高のハチクマ

 遥か南の国から子育てのために日本に渡って来る野鳥を「(日本の)夏鳥」という。一方、日本で冬を越した「冬鳥」は、育てのために日本より北の国に渡って行く。これが現地では「夏鳥」となる。この夏鳥に中にハチクマ(Pernis ptilorhyncus 英:Oriental honey-buzzard)というスズメバチの蛹や幼虫を主食とするタカがいる。渡って来る夏鳥も終盤となり、このハチクマのシーズンの最盛期となった。琵琶湖湖北にハチクマの渡り数のカウント調査に同行。気温の上昇、風向き、地形を読みながら琵琶湖に面した山頂でハチクマを待つ。時おり谷間や尾根の向こう側から複数のハチクマが湧く様に舞い上がるかと思うと、遠くから風に乗り1羽だけでやって来るものもいる。双眼鏡で現れたハチクマを観察する(写真は♂)。数日前に九州を1100羽以上が通過したという。今回の場所では2日/回のカウントでは、その150羽に留まった。さてこの湖北を通過するハチクマの数はどれほどになるのだろうか興味深い。小群れで来るもの、単独で来るもの問わず、それぞれに彼らの誰もが知っている「ある場所」を目指す様に一点に消えて行く。無事に子育てを終え、秋の渡りに会いたいと思う。彼らの飛翔を見ていると時間も忘れる。
2日間に観察したタカ類: ハチクマ(150)、クマタカ(1)、ミサゴ(3)、サシバ(3)、ツミ(7)、オオタカ(1) 。 Photo:2015/05/20 @余呉町、滋賀県

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