2013年1月23日水曜日

第四百三十五夜/「うごめくもの」これも野生

 人間が生きものを見てどう思うかは彼らの知ったことではない。それは当たり前だろう。しかしながら人間は勝手なもので、見た目で判断してしまうものだ、「気持ち悪い」と。多分、この手の生きものは一般的には気持ちのよいものではないだろう。今日、地面に見つけた「うごめくもの」を最初見た時には僕もそう思ったのは事実である。それはなぜだろう?その動きと体の透明感がそう思わせるのか?体長1cm、黒い頭部に内蔵が透けている透明な体、足はある。その数100匹を下らないだろう。大変な数の個体が絡まり合いながら移動しているのだ。何ものか見当もつかない・・・これが気持ち悪さを増加させる。それでも眺めていると、不思議なことに気付く。何やら訳も判らずうごめいている彼らにも、目指している場所があり、そして不完全ながらも先頭があるらしい。塊の中なら一匹が歩き始めると数匹がそれに続く、しかしながら彼らが先頭となると言う訳ではなく。別の個体が別の方向に行こうとすると、また何匹かがそれに習う様に動き出す。こんなことを繰り返しながら全体の行くべき方向が決まるようだった。彼らの合意形成ってなんだろうか。こうなると気持ち悪さは、すっかりどこかへ消えて、興味が沸いてくるものだ。彼らの正体は、蛾類(メイガの仲間)の若齢幼虫のような気がする。Photo:2013/01/23 @京都御苑、京都市

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