2011年8月16日火曜日

第三百二夜/子育てをするクワガタ

 「チビクワガタ」と聞くと少し冗談のような名前だが、れっきとしたクワガタムシの一種。他種のように♂が大きなアゴを持っているという訳でなく、名前から想像できるように体長15mmほどのチビで、♂も♀も小さなアゴしか持たない。ただし、他種との違いはその体形よりもその生活にある。普通、昆虫類は親子が互いの顔を知らない、ましてや親が子育てなんかしない・・親は卵を産み死ぬ、その後卵からふ化した幼虫は成長しやがて親となる。しかし、このチビクワガタは、朽木・倒木の中で家族単位で暮らし、成虫(親)が材を噛み砕いて幼虫の餌を生産するという亜社会性生活を営む。成虫(親)は、動物性の餌を好み、樹皮下でミミズや他の昆虫などを捕食しているようだが、樹液に来ることもあるらしい。意外と飛翔性が高く、灯火にもよく飛来する。そんな家族単位の暮らしだから、倒木を割ると100頭以上もの成虫と幼虫が見つかることがあるという。こうなれば家族というよりも「村」の様相だ。Photo:2011/08/07 @京都御苑、京都市

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