2017年6月5日月曜日

第八百六十八夜/ノスリの子育て真っ最中

 ノスリ(Buteo japonicus 英:Eastern Buzzard)の営巣観察。巣は民家から200m程離れたアカマツとカラマツの混合林、林床はササ類を基調にウルシ、コブシ、コナラ、コシアブラな どの亜高木類が生育する明るい林の林縁、アカマツの地表からの高さは約15mほどの二股の枝にあります。昨年と同じ巣を使用しています。巣の上部には、マ ツ、カラマツ、ヒノキ(ヒノキは葉の形状を活かしているのか、巣の縁に敷かれた枝葉は全て裏向きです)の生枝が敷かれています。巣の下には、いくつもの生 枝も落ちていました。またヒナ鳥は糞を勢いよく巣の外側に飛ばすために林床の笹の葉には多くの糞が付いています。
 現地では気付きませんでしたが写真を見るとヒナ鳥は3羽確認できました。親鳥は、早朝より正午まで頻繁にエサを運びましたが、お昼を過ぎると3時頃まで その回数は激減しました。ただしヒナ鳥と親は、時々鳴き交わしをしています。観察中に運ばれたエサは、ネズミ類、モグラ(?)を確認しました。ネズミの場 合は、親が細かく調理した上で与えています(写真1は、ネズミの内蔵を与えています)。一度、親鳥が獲物を巣に運び込んだ後、ひな鳥が自分でひ ろい上げ丸呑みにしようとしていたのは、ヒミズ(モグラに近い小型の哺乳類=手足や尾の特徴より判断)でした。丸呑みにするには少々大きいようでしたが、 時間をかけてなんとか丸呑みにしました(写真2)。ヒミズは夜行性でかつ林床部の落ち葉の下を生活域にしているので、ノスリは林床でも狩りをしていること が想像できます。
 親が飛び去った後、ヒナ鳥は巣材の枝や自らの足指をくわえ遊ぶような行動も見れました。周辺には、ヒヨドリ、カケス、ヤマガラ、キビタキも子育て中ですが、なかでもカケス、ヤマガラは時おりモビング(嫌がらせ、疑攻撃)行動をしていました。
 観察初日は、巣の近くでは音楽イベントが終日開催されていましたが、その時は人や音を気にすることもなく活動していました。しかし翌日、僕が森に入ると 親の警戒は強くなったようです。(写真3 撮影は離れた場所から簡単なブラインドを冠っていましたが、時おりこちらを気にしています)3羽のヒナ鳥の成長 は順調のようで、2週間後には巣立ちを迎えることと思われます。次回は巣立ちの頃に観察にいきます。Photo 2017/06/05 @長野県伊那

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